ホームステージングとは、売却を予定している物件の印象をよくするため、家具や小物などで室内をコーディネートする方法です。ホームステージングには、家具のない室内の寒々とした印象を、より温かいものに変える効果や、その物件での生活がイメージしやすくなり、売却までの時間が短くなる傾向があります。今回はホームステージングについてご紹介しましょう。

ホームステージングの効果を知ろう

内見する人に、がらんとした空間を見せるのではなく、物件での暮らしをイメージしやすいよう、家具や小物を使って室内をコーディネートすることを「ホームステージング」と呼びます。

これまで使っていた家財道具を運び出し、きちんと掃除をして、内覧をしてもらうのはとても大切です。でも、空っぽになった空間は、なんだか寒々と感じられてしまいます。住む人の好みに合わせる「インテリアコーディネート」とは違い、物件の良いところを引き立て、スムーズに売却できるようにするのがホームステージングです。

なお、物件に住みながらホームステージングをすることもできるので、物件の売却が決まってから、新しい物件を購入する場合も安心です。生活感があふれる現在の空間から、生活感を取り除き「売れやすい空間」へと変えることができます。

ホームステージングのプロを認定する「ホームステージャー1級・2級」という資格も生まれています。

参考：一般社団法人日本ホームステージング協会https://www.homestaging.or.jp/

ホームステージングの実際の流れと費用

ホームステージングをプロに依頼した場合の流れを紹介します。あくまで一例ですが、参考にしてください。

・現地調査

ホームステージャーが物件を訪れ、どのような人にアピールするか、ターゲット設定を行います。同時にホームステージングを行う範囲（リビング、キッチン、玄関など）を決めます。

・リビングとダイニングのステージングで費用が約18～20万円

リビングやダイニングの広さや、掃除なども依頼するかといったことで、費用は変わります。

・家具、装飾品の選定

家具や装飾品はレンタルできる会社、設置だけではなく撤去まで依頼できる会社などさまざまです。サービス内容と費用については必ず確認しましょう。

・写真撮影

ホームステージングを行った空間を写真撮影します。美しく彩られた空間の写真は、不動産会社で宣伝材料として使用してもらうことができます。

写真撮影費用も、基本となるホームステージング費用に含まれている会社、そうでない会社があります。また、追加費用を支払うことで撮影箇所を増やしてもらうこともできます。

・売却成立後の家具撤去

売主との間で売却が成立したら、家具を撤去してもらいます。この費用も、基本料金に含まれる会社、そうでない会社があります。

ホームステージングの効果をより高めるコツは？

売却までをスムーズに進めるためのホームステージング。より効果を高めるコツを確認しましょう。

・次の居住者をしっかりとイメージしたステージングを行う

入居者ターゲットとして「幼い子どもがいるファミリー層」を想定するなら、親子で楽しく、安全に過ごせるリビングやダイニングを演出しましょう。

起業家、フリーランスがオフィス空間とすることを想定しているなら、スタイリッシュな家具で近代的な演出が好まれるでしょう。

いずれの場合も、次の居住者をイメージし、好みや暮らしを考えてステージングを行いましょう。

・居住しながらのホームステージングはまず荷物を減らす

ホームステージングは、物件に住みながら行うこともできます。その場合は、まず荷物をできるだけ減らし、ごちゃごちゃした印象にならないようにしましょう。

ホームステージング会社が荷物の一時預かりサービスを提供している場合もあります。また転居に備えて不用品を減らす機会ととらえるのも良いでしょう。

・自分でホームステージングを行う方法もある

インテリアや不動産に関する知識があるなら、自分で家具や装飾品をそろえてホームステージングを行う方法もあります。

ただし、ホームステージングの費用を安く抑えようと、自力に頼った結果、物件の魅力を引き出すことができないのは、残念です。不動産売却がなかなか進まず、売却価格も低くなってしまったとなると本末転倒です。自力で進めるのがよいか、よく検討しましょう。

まとめ

ホームステージングは、物件の魅力を引き出し、不動産売却をスムーズかつ有利に進めるために役立つ方法です。

これから売り出す物件だけでなく、売り出し中の物件になかなか買い手がつかない場合にも、ホームステージングの効果があるかもしれません。

信頼できるホームステージング会社とともに、進めていきましょう。